取り組みいろいろ!多摩市の農業施策

今回は改めて、多摩市の農業に関する施策についてご紹介します!

普段意識することは少ないかもしれませんが、「多摩市にはこんな事業があるのね〜」

「具体的にこういうことをしているのか~」と、新人ライターの私自身、とても勉強になりました。

目次

多摩市の農業のために~「多摩市都市農業振興プラン」

多摩市内の農地や農家数は減少傾向にあります。しかし!熱意のある農家さんはまだまだいらっしゃいます。

長年農家さんの努力の下で維持されてきた農地を将来的にも持続させるために、多摩市は「多摩市都市農業振興プラン」を策定しました。平成31年(2019年)のことです。

「多摩市都市農業振興プラン」には多方面にわたる取り組みが盛り込まれていて、すべてを紹介することは叶いません…

が、いくつかでも知っておくと、もっと多摩市農業が興味深く見えてくるはずです!

農業経営の充実、担い手育成支援

多摩市では付加価値の高い作物の栽培支援や、担い手育成支援が行われています。

平成29年(2017年)から明治大学と連携して「アスパラガスの採りっきり栽培Ⓡ」の共同研究をスタートしました。アスパラガスは人気の高い作物で、kgあたりの単価が高く、高収益をあげることが期待できます。

試験栽培開始当初は、市内4農家の畑で始まりましたが、年々取り組む農家が増えていき、令和4年(2022年)には14農家にまで増えました。

美味しそう!!
アスパラガスの葉はふわふわなんですね

採りっきり栽培とは

通常アスパラガスは、苗の植付けをしてから収穫できるまで3年ほどかかりますます。

その後同じ茎から10年以上(!)収穫することができますが、2年目以降のアスパラガスは病気リスクが高くなっていくことから、露地栽培は難しい作物と考えられていました。

この問題を解決するのが採りっきり栽培です。

採りっきり栽培は、寒さに弱いアスパラガスを、深植えして寒さを回避することで早い時期の畑への定植を可能とします。
1年間じっくりと株を養成することで、翌春には出荷対象となる太さのアスパラガスを収穫できます。
収穫後は全て刈り込んでしまうため、病気のリスクを低減させて、作業の手間も最小限となる栽培方法です。

多摩市産の採れたてアスパラガスは、旬になると市内直売所等に並びます。

新鮮さが味に直結する野菜は、トウモロコシ、枝豆、落花生と色々ありますが、アスパラガスも新鮮であればあるほど、柔らかく甘みが強く美味しいです。

購入したその日のうちであれば生食もできるほど!

多摩市産の新鮮なアスパラガスを一度食べてしまうと他のアスパラガスには戻れないかも…旬は3月下旬~5月ごろです。

担い手育成

多摩市農業を支える担い手の育成を目指して、後継者・担い手の確保と支援を行っています。

農業後継者の支援策の一つとして、令和元年度(2019年)から「農業後継者育成セミナー」を毎年実施しています。

第1回目は、市内で活躍中の後継者をパネリストに迎えてパネルトークを行いました。

第2回は、農家の相続についてを噺家兼行政書士に分かりやすく楽しく説明いただき、続く第3回は、農業を継ぐうえで最低限覚えておくべき、技術・法律・税制をそれぞれの専門家にお話しいただく等、毎年趣向を凝らしております。

第4回は、現在活躍中の後継者が営農する圃場を実際に見て話を伺うバスツアーを企画中です。

農地の保全

都市農地の維持・保全のため、多摩市農業委員会では生産緑地の巡回調査を行っています。

法定調査である11月の「農地利用状況調査」に加えて、任意調査である7月の「農地パトロール」と年に2回市内にあるすべての生産緑地を巡回しています。

全ての生産緑地を回ってチェックをするのは大変ですが、毎年調査を実施する中で、なかなか手が回らずに管理が十分に行き渡っていない農地には指導を行い、同時に各種制度の説明や援農ボランティアの活用を提案するなど、手厚いフォローも相まって、多摩市内の不耕作農地は現在も「0」となっています。

農地は食糧生産だけでなく、防災・教育・景観維持など、多面的な機能を担っています。その機能が十分に発揮できるように保全していくことも、とても大事なことなのですね。

市民理解の醸成

都市農地を維持・保全していくためには、市民の皆さんの農業に対する理解が不可欠です。

市民の皆さんの都市農業に対する理解を醸成するための取り組みとして、市民による援農システムの構築や農のあるまちづくりを行っています。

その取り組みのひとつである「援農ボランティア講習会」は平成27年度(2015年)からスタートしました。

「援農ボランティア講習会」多摩市の援農ボランティアになるには?

農作業をする上で人が足りない時や、一度に多くの作業をしなければならない時の助っ人の役目をする人が「援農ボランティア」の皆さんです。

援農ボランティアになるために、まず受入農家のもとで約1年間、農家のお手伝いをするために必要な基礎知識を学びます

その他にも東京都農林水産振興財団主催の援農ボランティア養成講座(東京の青空塾)による座学講習や圃場見学、講習生やボランティアが一堂に集まる全体講習など様々な講習があります。

これらを一定以上受講した方は「援農ボランティア」として名簿登録されます。

講習を終えて援農ボランティアとして登録された方は、令和4年(2022年)4月時点で54人となりました。また新たに9人の講習生が講習会受入農家のもとで学んでいます。

家族体験農業

平成5年度(1993年)から始まった事業で、とても人気のある事業です。

市内4箇所の圃場でサツマイモや落花生など、農業委員や農家さんの指導を受けながら、家族で苗の植付けから農地の手入れ、収穫までの一連の農作業の一部を体験します。

多摩市農業委員会と児童館との共催事業で、都内でも珍しい事業として、全国農業新聞で取り上げられたこともあります。

ワイワイ!みんなで作業も楽しいです

5月に植付け、7月と8月は除草・観察会、10月に収穫・交流会を行います。

収穫だけでなく、自分たちで育てた農作物を自らが収穫をし、食べることで食育としての側面もあります。

農業ウォッチングラリー

地域の農地を農家さんや農業委員と一緒に回って作物を収穫しながら、市内約4kmの行程を歩くことにより、多摩市の農業や地域の歴史を学べる人気のイベントです。

今年度は連光寺地区の3ヶ所の農地を回り、途中棚田や登り窯などを見学し、たくさんの農作物を収穫して、参加者大満足のイベントとなりました。

多摩市は近隣都市と比べて農業規模が小さく、それに加え農家戸数も減少傾向にあります。

こうした様々な施策によって市民が農業に触れる機会が増え、今後自分達に何ができるのかを考えるようになり、農業への関心が深まっていくのだなと感じました!

(S.S)

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