あぐりあぐりでは、5月から計3回の朝顔巡回指導に同行し、栽培の様子を取材しました。
3回目の巡回指導の様子↓
今回は、まさに栽培技術の集大成とも言える品評会です!
選りすぐりの2鉢!
朝顔品評会は、毎年「せいせき朝顔市」の開催にあわせ、商品価値、品質の向上を図るために行われてきました。
会場であるJA東京みなみ多摩支店には、6軒の生産農家から選りすぐりの2鉢が運ばれます。
1軒あたり100鉢以上も生産がなされている中で、ベストの2鉢を選別するのも大変そうです・・・
会場を彩る12鉢の朝顔。
この日のために1鉢ずつ丁寧に育てられた朝顔は、どれも見事な出来栄えでした。
「昔は、軽トラックで会場へ運搬中に、花びらに傷が入ってしまうこともありましたね~」と、指導員の農協の鈴木さん。
会場へ無傷でたどり着くまでが勝負?!
最後の最後まで気が抜けないですね・・・
審査のポイントは?!
午前10時、いよいよ品評会の開始です!
4名の審査員の紹介のあと、審査方法の説明が行われました。
審査は①から⑤までの項目に対し、5段階で評価していきます。
草勢、形質、着蕾(ちゃくらい)etc…まったく聞き慣れないワードですが・・
毎年この審査項目をすべてクリアできる花を栽培できるのは、生産農家の方々の技術ですね!
品評会の品種は「暁(あかつき)」。
こちらの鉢には、「暁の舞」「暁の紅」「暁の海」と、色違いの3種がバランスよく咲いています。
このような咲き方も重要な審査ポイントです。
花だけでなく、ちゃんと次に咲く蕾が残っているかも審査されます。
上下左右のバランス、葉の裏の状態、花弁割れがないか等々、一つ一つ細かく観察する審査員の方々。
「見ればみるほど迷ってしまう・・」
「今見たかぎりで判断しなくちゃいけないけど、もう何日か経つともっといい状態になりそうな朝顔もあって迷うなあ・・」という声も聞こえました。
さあ、結果発表です!
審査開始から40分、審査が終了しました。
いよいよ結果発表です。
最高得点を獲得した「多摩市長賞」は・・・
萩原重治さんに決定しました!
奥様の久美子さんとの共同作業で、大輪の花が咲き誇るみごとな朝顔を育てられました。
そして「多摩市農業委員会会長賞」は、萩原弘さん。
1位との差はわずか1点でした~!
もともと花木を栽培する農家さんだけあって、全体のバランスが良く安定の仕上がりでした。
横から、後ろから、どの角度から眺めても楽しめるまさにプロの技!
3回目の巡回指導時にはやや生育が遅かった相澤孝一さんの朝顔も立派に咲きました!
ふるさと多摩夏まつり副実行委員長賞:相澤孝一さん
「今年は去年と比べても、全体的に状態がいいですね。ほぼ全ての鉢で3種類の花が咲いている様子が見られました。」と、南多摩農業改良普及センター所長の小林さん。
約4か月の間、生育管理に励んできた生産農家の方々の努力の賜物ですね!
「どれも立派な朝顔だけど、なにより生産農家さんの花に対する情熱が伝わってくるよね!」という審査員の方の言葉に、一同頷きます。
「おいしい野菜を育てたい!という感覚と同じですよ。花も、より美しく咲かせたいという気持ちを込めて育てているからね」と、多摩市農業委員会会長代理農業委員の伊藤さん。
元気な朝顔のエネルギーに包まれて、皆さんの笑顔で終了した品評会。
朝顔生産農家の減少という課題もありますが、来年からは若手の生産者も1名加わるそうです。
これからもますますパワーアップして、多摩市を盛り上げてくれるイベントになりそうですね!
(Y.A)