朝顔市直前!巡回指導最終回

7月5日~7月6日に聖蹟桜ヶ丘駅前で行われる「せいせき朝顔市」を約1週間後に控えた6月27日、第3回の朝顔の巡回指導が行われました。

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専門家と巡る!朝顔栽培の最終チェック

この日の巡回指導は、JA東京みなみの職員、多摩市職員、そして園芸の専門家である南多摩農業改良普及センターの佐々木さんが、農家さんと一緒に各ハウスを回ります。

車内はベテラン農家さんたちが中心ということもあり、落ち着いた雰囲気。

しかし、ひとたびハウスに到着すると、鉢を手に取ったり、葉を触って確かめたり、観察に余念がありません。和気あいあいとしながらも生育状況、花のつき方、病害虫の様子まで見ていきます。

最初にお邪魔したのは、大ベテランの濱田眞治さんのハウスです。

ずらりと並んだ朝顔は背丈が揃っていて、とても綺麗です!専門家の佐々木さんも「丈も揃っていていい状態ですね。このまま維持してください」と評価していました。

今年は暑い!高温対策

2軒目は、萩原重治さんのハウスです。ここでの話題は、悩ましい「虫」についてです。

ルーペで葉を見ています

「虫が出た鉢は他の鉢から離すようにしてください。高温が続くと虫の成長が速くなります」と佐々木さん。

なるほど!気温が上がると、虫の成長もスピードアップしてしまうのですね。水やりだけでも大変な季節に、さらに管理の手間が増えるとは…朝顔の生産農家の方々には、本当に頭が下がります。

3軒目、園芸部部長の萩原弘さんのハウスでは、水やりやハウス内での作業の仕方について情報交換がされていました。

4軒目、太田茂さんの圃場では、皆さんはハウスに塗って日光をほどよくさえぎる「遮光剤」について聞いていました。「スプレー状に出る散布機を使うんだよ。薬剤はこれだよ」と太田さん。来年の栽培に生かせそうですね。

遮光剤が散布され、ほどよく日が入るハウス内

5軒目、小暮和幸さんのハウスでは、佐々木さんから「虫も見られず順調です」との言葉があり、問題なく育っている様子がうかがえます。

さらに、万が一のために予備の苗をいくつか用意しているそうで、すぐに植え替えができるという徹底ぶりでした。素晴らしいですね!

ベテランの知恵が集結 若手の挑戦を後押し

6軒目、新しいハウスで栽培に取り組む、若手の須藤晃延さんの畑にもお邪魔しました。日当たりが良すぎるという課題に対し、日除けを増やしたり扇風機をもう一台導入するなど対策を重ねてきたそうです。

「やはり成長が良くない。朝顔の背丈が伸びてこないんです」と須藤さん。

佐々木さんは「苗が小さい時に厳しい環境になってつまづいてしまうと、成長が止まってしまうことがあります。でも回復してきた鉢もありますね」と分析します。

周りにいた先輩農家が、自身の経験を元に「原因はなんだろうな」「こうしてみたらどうだ」と、自然にアドバイスを始めました。自分の畑のことのように、須藤さんの課題に向き合い、知恵を出し合う姿が印象的でした。

ちょっと昔話。支柱は「竹」だったんです

巡回の移動中、車内で興味深い話が飛び出しました。今ではプラスチック製の支柱が当たり前に使われていますが、昔はなんと、農家が竹で自作していたというのです!

「2月くらいから作っておくんだよ。丸いわっかも竹を曲げてね」と、にこやかに話すのは太田さん。

あの支柱を、一つ一つ手作りで、とは!何十、何百という鉢の分を…想像するだけで気が遠くなりそうです。

せいせき朝顔市、皆さまは足を運ばれたでしょうか。朝顔を購入された方は、その背景にある想いも感じながら、ぜひ大切に育ててみてくださいね。来年の夏、また素敵な朝顔に出会えるのが今から楽しみです。

(M. H.)

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