里山の原風景が残る丘陵地
令和5年度多摩市援農ボランティアの全体講習の様子を取材しました。
通常は別々の農家でそれぞれ活動を行うボランティアの方々が一同に集まります。
今回は、落ち葉を集めて堆肥作りのお手伝いです。
場所は、連光寺地区の丘陵にある栗林。
小島農園の小島豊さんより、作業内容の説明と周辺地区の特徴などを解説していただきました。
昭和40年頃までは、桜の花見客で賑わっていたこの地区ですが、今は公園や森林総合研究所などの木々に囲まれ、個人で散策を楽しむ方が多くなっているそうです。
栗林に隣接する、都立桜ヶ丘公園の田んぼ。
原風景を残すためボランティアの方が米作りに励んでいます。
まずは、熊手で落ち葉を集め収集袋に詰め込んでいきます。
栗の葉は堆肥作りに適しているのです。
集めた落ち葉は堆肥置き場へ運び、どんどん積み込んでいきます。
落ち葉が溜まってきたら体ごと堆肥場の中へ!
葉っぱのプールを歩きながら葉っぱをフミフミ~!
踏み固めて葉を密着させることで分解が進むそうです。
「枯れ葉というより泥を踏んでいるような不思議な感覚ですね~、足腰が鍛えられそうです!」
冬の寒い日でしたが、5分も経たないうちに汗ばんできました。
ある程度踏み固めてかさが減ってきたら、次に、微生物のエサとなる米ぬかを蒔き、野菜くずを入れます。
乾燥防止のための水を撒いていきます。
そしてまた枯れ葉を入れて踏み込み・・という作業をひたすら繰り返して葉っぱのミルフィーユを作ります。
かなりの重労働ですね。
落ち葉拾いの途中で、小さな栗を発見!おいしそう~♪
落ち葉のミルフィーユが完成!
作業開始から1時間ほど経過し、だいぶ小さくなった落ち葉の山。
やっと終わりが見えてきました!
作業を繰り返すこと7回目。米ぬかも全て蒔き、本日のミッションは終了!
立派な落ち葉のミルフィーユができました!
「おつかれさまでした!
私一人だと一週間かかる作業を、皆さんのご協力のおかげで1時間半でできました。
一か月後には、中が発酵して温かくなっていきます。
これから一年間熟成させ、利用するのは一年後です。
堆肥作りは労力と時間のかかる大変な作業ですが、土の団粒化や野菜の成長を促進させて、畑の土壌改良につながります。」
メンバー同士の交流も♪
小島さんのご好意で、お茶菓子をいただきながら休憩タイム♪
この全体講習会で初めて顔を合わせた援農ボランティアさん同士、普段の活動の様子を情報交換していました。
まだまだ続く講習会!
講習会のラストは、小島農園に移動してほうれん草の収穫体験。
このほうれん草畑の種まきは、本日参加された2名の援農ボランティアの方が担当されたそうです。
柔らかな日差しの中で輝く青々とした葉。おいしそうに育っています!
昨年仕込まれた落ち葉堆肥は、畑で土づくりに利用されています。
小島さんに収穫のコツを教わり、袋いっぱいにほうれん草を摘み取りました!
これで全体講習会の終了です。
参加者は、「援農ボランティアを始める前は、農業って大雑把でもなんとかなるのでは?と何となく思っていました。
でも講習を受け、実地での経験を積むうちに野菜作りってこんなに繊細なんだ!と感じるようになりました。
特に小島さんは道具の手入れや片付けなど栽培以外の細かいところも大切にされる方なので、とても勉強になっています」と、援農ボランティアの感想を話してくれました。
参加者の皆さんの充実感溢れる姿をみて、私も参加してみたい!と思いました。
多摩市の援農ボランティアに興味がある方はこちらもご覧ください
多摩市援農ボランティア講習会|多摩市公式ホームページ (tama.lg.jp)
(Y.A.)