“人と地球にやさしい百姓” 萩原重治さん
京王線の聖蹟桜ヶ丘駅からバスに揺られ15分。
坂道途中のバス停で下車、さらに歩くこと数分。なだらかな傾斜の畑が見えてきました。
多摩市連光寺で自然農法の普及に取り組む萩原重治さんの畑です。
おいしい!と評判のお野菜、その秘密とは?
萩原さんの手がける農作物は市内直売所でもおいしい!とお客様に大好評です。
そんな、萩原さんこだわりの野菜は一体どのように作られているのか?その秘密を探りにいきました。
裏庭にあるテーブルの上で見つけた何やら不思議な瓶たち。実はこの中に萩原さんが手がける有機野菜の秘密が隠されているようです。
瓶の中には有機肥料である落ち葉堆肥が入っています。匂いはほとんど無く、ほのかな落ち葉の香りがしました。
「この瓶の中身を例えるなら、雨が何日も降り続けて畑に水が溜まっている状態。
その畑に溜まった水分を土の中の野菜が自ら吸収していきます。そして野菜が余計な肥料を与えずともぐんぐん成長していきます。」
この瓶の中身はジャガイモ。
化学肥料と有機肥料両方で育てた作物を瓶に入れ、腐敗の過程を観察するそうです。化学の実験ですね!
「おいしい野菜を作る秘訣は、まず良い土を作ること。そして、その土に雨が降り、蓄えた水で土が固くならないよう循環させていくことが大事です。」
「そのために、太陽の光を十分に当てます。そして作物が密集することなく根や葉を取り除き、葉と葉の間にきちんと風が抜けるように常に畑を観察しています。」
良い土づくりにかかせない落ち葉堆肥。多摩市の永山団地から集めたケヤキの木の葉だそうです。
研究に余念がありません
萩原さんは、サラリーマン9年目のバブル期に当時31歳で脱サラし、代々続く農家の道に進むことを決意しました。
元々科学や生物が大好きで、研究熱心な性格の萩原さん。
どうせやるなら有機栽培!とゼロから有機肥料作りの勉強を始めました。始めた当時は、育てていたトマトが全部枯れるなど様々な困難を経験したそうです。
その後、試行錯誤を繰り返しついに理想的な有機栽培法を極めていきました!
「作物も人間も同じですよ。質の良いものを食べ、程度に運動したら丈夫な身体になりますよね?きちんと育てた有機作物は、健康なアスリートのようなものです」
なるほど~!萩原さんが天塩にかけて育った野菜たちは畑のオリンピック選手なのかも?!
太陽と風と土、そして萩原さんの愛情をいっぱい与えられた野菜たち。
「実は私は農作物を育てるのは好きだけど、おおざっぱなところもあるんですよね。だから収穫と出荷は妻に任せっきりです。」照れながらおっしゃいました。
几帳面な奥様が出荷に最適な作物を選別してきれいに袋詰めするそうです。おいしい野菜の秘訣はどうやらご夫婦の絆も含まれているようですね。
萩原さんの畑で野菜の収穫作業を体験!たくさんの野菜をいただきました~!
萩原さんおすすめの野菜調理法は?
「生ニンジンをマヨネーズに付けて食べる!これが一番ですね」
さっそく家に帰って試してみました。人参丸かじり!ほんとに甘くておいしかったですよ~!
(Y.A)